美しくもくそったれな世界へ、さよならを

アイツとは、学校の帰りに偶然出会った。

いつも通り男達にいじめられてボロボロの身体と心を癒すため、家から少し離れた誰もいない公園へと来ていた。

熱をもった身体には気持ちいい冷たいベンチにぐったり目を瞑って座っていると、砂利を踏む音が近付いてきた。

すぐ近くに足音がすると、するりと優しく頬を撫でられる。

撫でた手は大きくて温かく、これは男だということを知る。

重い瞼を開けると、そこには眼鏡を掛けているけれど雑誌やテレビでよく見かける、抱かれたい男ナンバーワンのスターの顔がそこにあった。

それが、アイツだったんだ。