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  テレビに出ている有名人が、自分を抱いてくれている。それも好きな人。 そんな幸福感と優越感で満たされていた俺は有頂天になっていて、いじめや暴力、それに弟に犯されることも耐えられた。 だけど、あんな醜い自分を抱けたアイツが真面目なわけはなくて。 待ちに待ったアイツと会えた俺が思わず抱きついた時、違う匂いが鼻を掠めた。 どう考えても、この甘ったるい匂いは女の香水のもので。 今まで自分が知らなかっただけで、アイツは男と女を取っ替え引っ替え抱いていたんだ。 女ならまだ許せた。女は俺にないものを持っていたから。
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