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やがて留衣が歌い始めると、勝手に話していた和泉朱里のスタッフ達は顔を上げた。
ほとんどの人が、留衣の歌に聴き惚れている。
和泉朱里でさえも。
歌が終わると、和泉朱里はその場に立ち上がり、惜しむことなく留衣に拍手を送った。
ホール中が留衣を褒め讃えて、こういう状況はちょっとないだろう、ってくらいの盛り上がりを見せていた。
まるで、ちょっとしたライブだ。
俺は仕事をしながら、留衣が寄越すアイコンタクトに応えて。
俺まで誇らしかった。
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