ジャンキーの憂鬱

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   留衣がひっくり返した名刺のウラには、走り書きの携帯ナンバー。 「これ、プライベートの番号!? すげっ!」 「ちょっとしたお宝だよねー、この名刺」  松井正吾の名刺をガラステーブルの上に置くと、留衣は膝を抱えながら俺に身体を預けて来た。 「お風呂で、考えてたんだけど」 「うん?」 「あたし明日、松井さんに電話する」  ──。  それは。  話を受けると、そういうことか。  髪を拭く手を止めた俺を、留衣は面白そうに見上げ、ニヤッと笑った。 .
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