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「そういえば、聞いた?」
事務所の椅子に座らされ、髪をいじくられながら煙草をくわえていると、留衣の少し浮かれた声が落ちて来た。
一緒に暮らしてることもあって、留衣の考えていることはだいたいわかる。
彼女が話し出した瞬間、何の話題かわかることもよくある。
けど、今日はまったく心当たりがなくて、俺はかぶりを振った。
「知らない。何?」
「来週、貸し切りの予約が入ったんだって。新年会」
「へえ? 前も、結婚式の二次会か三次会とかで貸し切りあったよな」
「うん。広樹さんも堂本さんもけっこう顔広いから、たまにあるんだよね」
言いながら手を止めない留衣はかなり上機嫌だ。
「何か機嫌いいね。その貸し切りに何かあるの?」
「よくぞ訊いてくれました」
留衣は俺の髪を触りながら、顔を覗き込んで来る。
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