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とりあえずは相手を知ろう、と葵は基礎で基本的な考えに至った。
そして、同じ授業はないかと三日ほど自身が受ける授業でメゾを探してみた。
すると、一つだけ同じ授業を受けていることを葵は知ることになる。
その授業は――『特殊属性魔法基礎』
偶然にも、ティオルラが担当する授業であった。
――とりあえずは、遠巻きから観察といきます、か。
そう思い、少し離れ、メゾよりも後方の席から観察する。
多少の余所見もティオルラも許してくれるだろう、と思いながら。
一時間後。
――ま、真面目だ。
それが葵が抱いたメゾの感想である。
授業をしっかり聞き、ノートをまとめ、誰かと話したりする様子もない。
この一時間、しっかりと集中して授業を受けている。
――いや、良いことなんだけどね。学生はこうじゃないと。
そう思うと同時に、今誰よりも授業を聞いていない葵は自身が少し恥かしくなった。
この授業を受けている生徒はちらほらと知っている者もいるので、いつも適当に話をしたり、ノートを見せ合ったりして受けているが、今日は後方の席に座ったので一人だ。
よく一緒にいるメンバーも、この授業は受けてはいない。
――私も真面目に受けよう、と。
そう思い、葵も残りの三十分間、余所見せずに授業を受けた。
その間も、メゾが怪しい行動をしている様子はなかった。
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