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だが、中にはこれを億劫に感じたり、監視されていると勘違いする者もいる。
そういう者が勝手に先程の方法で勝手に外出をするのだ。
しかし、それは見つかると罰則になる。勿論、暗黙して了承したルームメイトも連帯だ。
だから、通常はルームメイトがそれを止めたり、寮の管理人に報告したりしている。
ルームメイト側も相手の勝手な行動で、自身に責任を負いたくはない。
また、そのような外出を行おうとする者も、リスクが自分だけなら問題ないが、ルームメイトまで巻き込むとなったら良心の呵責が枷となり、中々の効力となっている。
「だけど、メゾにはそれを気にする必要はない。と、なると申請せずに外出をしている可能性がある。それを証明出来れば……依頼は完了!」
導いた答えに葵は納得した。
別に、メゾが『何をしているか』を突き止める必要はない。『怪しい行動』をしているかが解れば良いのだ。
ならば、寮に申請せず、夜な夜な外出していることを示せば充分に『怪しい行動』の証明となる。
「けど、問題はどうするかよね。こういう時は――」
葵はコーヒーを飲み、アクセルを回し、走り終えた脳に休息を与える。
方法については思いつかないが、こういう時に役立ちそうな人物は知っていた。
「アイツに頼るとしよう」
コーヒーを飲み終えると同時に彼女は決断した。
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