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「ああああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
前方からメゾが勢いよく駆けて来る。
葵とアキに向かって。
月の明るい夜。静かな夜だった。
そんな中に彼女の声が異常なほどに響いている。
聞きたくない。
耳を塞いでしまいたい。
そう葵は思った。
しかし、
――塞いではいけない。逃げちゃいけない。受け止めなければいけないんだ。
葵は向かって来るメゾに対して、そう思いながら目を逸らすことなく見つめていた。
――だって、これは私が招いた事態なのだから。
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