『観察』

1/2
前へ
/219ページ
次へ

『観察』

いつからが始まり? 種を埋めた時だろうか。 いや、違う。 この華を咲かそうと思った時だろう。 だが、そんなことは私は知らない。 だってもう、彼女は種を埋めていたのだから。 もう始まっていたのだ。 埋めた瞬間も見ていない。 私は傍観者だ。 だから、それを知った時、見た時、それが私の始まり。 軽はずみで、始まっていたことを見ていたこと。 それが、ここが、始まり。
/219ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加