選ばれし者

3/8
前へ
/184ページ
次へ
「わかっとるみたいやのう。お前みたいなクズは死んだ方がええんじゃ。何か起こってからでは遅いけん。終わりにしちゃる」 「だったら殺してみろ。そんな腐れ竹刀で、俺を殺せるならな」 「フッ……確かにそうじゃ。お前見たいにイカれた奴は、これで二人目じゃ。思い出すのう」 チラ 「おいおい。誰の事だよ」 竹中は、壁際にもたれ掛かり、不敵な笑みを浮かべる須藤に視線を向ける。 「一人しかおらんじゃろ。のう、天野。わしが竹刀で叩くのは何故じゃか分からんか?お前を殺す為じゃない。痛みで分からせる為じゃ。確かに竹刀じゃ、人は殺せん」 パタ 竹中の離した竹刀が弱々しく地面に倒れ、その殺傷能力の低さを物語る。 「これならどうじゃ?」 キィンキィン 竹中は古びたジャージの懐から取り出したサバイバルナイフを、地面に放り投げた。 「それだけの歪んだ根性ぶら下げとるんや。死ねやキサン」
/184ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5851人が本棚に入れています
本棚に追加