選ばれし者

4/8
前へ
/184ページ
次へ
「あ?」 「お前はクズじゃ。生きていても意味が無い。じゃが、お前にもプライドがあるじゃろ?わしになぶり殺しにされるくらいなら、自分で死ねるじゃろうが?死んでみいや」 「……上等だよ。上等だ!」 天野はそう言うと、地面に落ちたサバイバルナイフを拾う。 天野はそのサバイバルナイフに映る、血だらけの自分を見つめ、血液が熱くなるのを感じた。 「竹中!離れろ!」 「ん?」 須藤が叫ぶ。 だが、もう遅かった。 ブス …… 「天野……キサン……」 「ハッハッハ!死ぬのはテメェだ!俺には分かるんだよ竹中!テメェは俺と同じ人間だ!だったらクズだろう?だから俺が殺してやるよッ!何か起こってからじゃ、おせえからなッ!」 天野がナイフを持つ手に力を込める。 「グアァァ……やめろ天野……」 「竹中ッ!」 苦しむ竹中を見て、須藤が止めようと動き出したその時だった。 「なんてのう。わしがやられるわけ無いじゃろ」
/184ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5851人が本棚に入れています
本棚に追加