ヌイグルミのはなし

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 またふーちゃんの手の中に  もどってしまった私の首には  すてきなあかいりぼん。  りぼんのまんなかには  淡いきいろとみずいろとしろの  ちいさな鈴がたくさんついた  まるでお花のブーケのような  かざりがかけられていた。 「ちりりりちりんって  かわいい音がするでしょう?」  そう言っておねえちゃんはにっこり笑う。  ふーちゃんはありがとうも  言わないで黙ったまま私のことを  ぶんぶんと振り回す。  ちりりりちりん。  私が回ると鈴が鳴る。
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