ヌイグルミのはなし

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 そう思った時  私の足をむんずと掴む手が伸びてきた。  強い力で私の足をひっぱって  私と長い髪の女の子は引き離された。  天と地がひっくり返った。  ううん。  私が逆さ吊りになっているのか。  私は片方の足だけ強い力で握られて  床に耳が着いちゃうような低いところで  宙ぶらりんになっていた。 「じゃあ私、こっちにする」  私の足を掴んだその子は  きっぱりとそう宣言した。  うそでしょう?  だってさっき髪の長い女の子が  私をほしいって言ってくれたのに!  なんで引き離すの?
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