第1章

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しばらく千鳥足気味に歩いていると、 「係長!」と後ろから声をかけられた。 彼だった。 この指、とーま....らなかった彼が 小走りに駆けよってくる。 あれ... 「伊藤君?」 「僕、コーヒーつきあいます!」 はずむ息で、彼がいう。 さっきとは違って、 少し、上気した、彼の顔..... 突然降って、湧いた 二人きり.................、 これはご法度だったはずなのに。 これじゃ、もとの木阿弥…….. 一瞬たじろぐ佑香... でも、つぎの瞬間.......... 夜の街で二人きりの場面が 再現された、まさにこの瞬間、 理性で押し殺してきた、 佑香の‘女’が目を醒まし、 夜の街へと、解き放たれた......... 前と違うのは、 今夜はふたりとも、だれにも、 何にも、束縛されない、 ーーーー自由ーーーー ということ..........
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