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「そんなこと言ったって……」
そわそわしながらそう言うと、何秒もしないうちに血が止まり、痛々しい傷は最も深い部分から見る見るうちにくっつき始め、最後には見事なかさぶたになって閉じてしまった。
「……と、こういう感じ」
いま目にしたことが信じられない。まるで手品を見ているようだ。
「兄さんの場合は、ウイルスを注入した二十歳当時の肉体を保つようになっている。だからずっとあの姿なんだよ。
それがいつまで続くのかは僕にもわからない。だから今のところは半永久的なわけ」
本当だとしたら、なんという素晴らしい発明だろう。人類史上、偉大な大発見だ。
「すごいよ凱悦! 天才だよ! ノーベル賞ものだよ!」
興奮して愛藺が称えると、彼は困ったような表情で微苦笑した。
「……昔はね。僕もそう思った」
そうつぶやいたきり、黙ったまま。
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