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どうしたのだろう?もっと思いきり自慢して良いことだと思うのだが。
「それじゃあ脳の方は?常に100%働くことができると、どういうことが可能になるの?」
「火事場の馬鹿力ってあるだろう。原理はあれと同じ。通常では考えられないような力が意図的に使えるんだ。腕力も、俊敏性も、動体視力まで、何もかもが普通ではなくなる」
愛藺は以前、車の下敷きになった子供を助けようとした母親が、車を持ち上げたという話を聞いたことがある。あんな能力を日常的に使えるとしたら、まるでスーパーマンだ。
「ねぇ、今更だけど、凱悦もそういう身体なのね?」
「……うん。兄さんをそういう身体にしたのは僕だから、同じ身体になって一緒にいてあげなくちゃいけないと思ったんだ。それが僕の責任だと思ったし……」
「優しいのね」
感じたままを伝えると、意外な言葉が返ってきた。
「でも……すぐに疎ましがられるようになったけどね」
「どうして?」
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