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「それで……愛藺たちが帰った後、兄さんが言ったんだ。君を不老不死にしたいから手伝えって。だから僕は君のバイト先へ助けに行ったんだ」
「えっ……?」
不老不死にするという意味はわかるが、なぜそんなことをしたいのかがわからない。
「わからない? 兄さんは君に愛萍の代わりを求めているんだよ。今ウィルスを投与すれば、君の若さは半永久的に保たれる。
…でもそんなことはしたくなかったし、兄さんにもしてほしくなかった。だって君は愛藺だ。愛萍じゃない……!」
麗星の眼差しが鮮明に蘇る。
自分を眩しそうに見たあの碧眼が。
『君は本当に若い頃の愛萍にそっくりだな』
あれはそういう意味だったのか……愛藺は背筋がゾッとした。
「……愛藺? 愛藺!」
凱悦の真剣な声と眼差しが、不安と混乱に陥っていく彼女を引き留める。
「しっかりして。必ず僕が守るから」
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