4.ラマ島

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 真摯に宣言した刹那、凱悦の端正な顔が苦しみに歪む。 「どうしたの!?」 「なんでもない……大丈夫」  無理に微笑んだ凱悦だったが、その身体はグラッと傾き、愛藺に抱きとめられた。 「凱悦!?」 「ごめん……大丈夫」  全然大丈夫ではない。 「どこか痛いの? ねぇ!?」  肩を支えて顔を覗き込むと、その顔色は蒼白だった。 「頭が少し……。今の発言、帰趨プログラムにとっては、許し難いものだったみたいだ」 「凱悦……」  愛藺は言うべき言葉が見つからなかった。  彼は絶対的なプログラムに反抗してまで、たった一人で助けにきてくれたのだ。兄と決裂するということは、和泰という巨大組織まで敵にまわすこととなるのに。 「──ねぇ、愛藺」  遠慮がちに捕まっていた手が、愛藺の背中を力なく抱きしめる。
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