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プロムナードを満たしていたカップルが、次々とおびえた様子で四散していく。それは通りに近いカップルから波状的に広がり、最後に残ったのは、愛藺と凱悦の二人だけになっていた。
空気が一変する。
まるで飢えた猛獣が徘徊するジャングルのような緊迫感だ。
「凱悦……」
思わずすぐ側の手を掴むと、長い指がぎゅっと握り返してくる。振り仰ぐと、彼の鋭い眼差しは油断なく周囲を見渡していた。
「和泰の構成員だ。見つかってしまった」
確かに二人を囲むようにたくさんの気配が感じる。
「どうしよう……」
その声はすでに震えている。
「愛藺」
握られた手の力がぎゅっと強まる。
「君が一緒なら撃ってはこないだろうから、数が増える前に突破できるかもしれない。僕から離れないで。いいね?」
「う、うん!」
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