4.ラマ島

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 その場で垂直に飛び上がると、相手のこめかみを一蹴し、両手をついて着地したと同時に、反対側からかかってきた構成員の足を払う。  腕の屈伸だけで立ち上がると、鮮やかな回転蹴りで三人をなぎ倒し、それで包囲が瓦解すると、焦って突出してきた構成員へ向かって駆け出し、膝で相手の顔に痛烈な一撃。 「あぅ、あぅ、あ……う」  右ストレート、左ストレート、アッパー。  最後のひとりをパンチのフルコースで締めくくった凱悦は、硬く握り締めていた拳を解いた。その呼吸は肩が上下するほど激しい。  彼の周囲には、二十人以上の構成員が放射状に倒れている。全員倒すのに十分もかからなかった。 「凱悦!」  凄まじい戦いぶりを目の当たりにした愛藺は、本人よりも興奮した様子で駆け寄った。 「大丈夫? 怪我、しなかった?」  呼吸を整えながらそう問う凱悦に、思わず失笑してしまう。 「愚問よ。そんな暇なんてなかったわ」
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