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そういえばラマ島は、海鮮料理のメッカだ。週末などにおいしい海鮮料理目当てに家族で出かけたり、海水浴に来たりする、ちょとしたリゾートアイランドなのである。
愛藺はにわかにラマ島名物の巨大シャコが食べたくなってきた。
「屋敷は山の中で本当に目立たないから、しばらくの間は安心して生活ができると思うよ」
そう言われてカバンの中身が気になる。愛藺が今持っているのは、財布と携帯電話、ポケットティッシュ、ヘアブラシ、ボイスレコーダーとリップバームだけ。あまつさえ財布には三十ドルと小銭しか入っていない。
「愛藺? どうしたの?」
急に青ざめた彼女を心配そうに覗き込む。
「あ、あの……非常に言いにくいことなんだけど……」
「うん?」
「お金、少ししか持ってないの。それに着替えもないし……」
この逃亡生活がいつまで続くか見えない今、着たきりスズメではツラい。
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