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「そうか……そうだね」
合点した凱悦がふむ……と頷く。
「お金のことは心配しないで。いくらか貯えがあるから」
そう言われても心配せずにはいられない。二年前まで植物状態だった人物がどうやって貯えていたというのか。しかも和泰と決別した今、資産だって凍結されているかもしれない。
「着替えは…今日のところは僕の物で我慢して。様子を見ながら少しずつ調達しよう」
そこで愛藺は、自分が「I LOVE RAMMA ISLAND」などとプリントされたTシャツを着るところを想像してゾッとした。
腐ってもスターの卵、謝愛藺。いくら非常事態とはいえ、ダサい格好だけはしたくない。
しかし、服ならまだしも、凱悦に下着を買ってきてとはお願いできない。一体どうしたらいいだろう?
早くも途方に暮れ、そっと隣りの凱悦に目を向けると、シートに深く腰掛けたまま腕を組み、窓の外の景色を見るでもなく見ている。
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