ガーネット

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      2 その日、サッカー部に祐一の姿は見えなかった。クラスが違うから、何か事情があったのか、それとも何もなかったのか、そんなこともわからない。 優は早々に帰る準備をしていた。そのとき、床がきしむ音がした。誰か教室に入ってきた? 振り返ると、スポーツウェア姿の祐一が、確かに、そこにいた。 「高澤くん…」 「……おう」 「なんで……?」 優は呟いていた。 「えっ?」 祐一はぽかんとしている。 「あっ、いや、いつも部活やってるから…」 祐一は一瞬黙り込んで、それから「あぁ」と言った。 「大井に、パシられたから」 そう言って、持っている靴を持ち上げてみせた。 大井。優のクラスメイトで、あまり話したことないけど、たしかサッカー部員だ。
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