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何回も会っているうちに、二人とも普通に話せるようになっていた。それはとてもウレシイことだけど……。
何か、何かちがう気がした。
それは、たしかに祐一と話せてよかったと思う。
でも…そう、こんなはずではなかったのだ。
優のなかの祐一は、サッカー部のエースで、誰に対しても笑顔で、手も届かない遥か遠くの世界で生きていた。それが、いくらなんでも、こんなトントン拍子で……。
はじめから、うまくいく恋だとは思っていなかった。だからこそ、他ならぬ優自身が、どうしようもない違和感を感じていた。
そんな心境が、時に優の顔をひどく曇らせる。それに気付いた祐一が、優の顔をのぞきこむ。こんなの、まるで恋人みたいだ。優はさらに深くうつむく。
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