ガーネット

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そんなある日、祐一が言った。「あのさ」 「うん?」 「茶道部がない日は、いっつもここからサッカー見てるじゃんか。興味あるの?サッカー」 優の目を見て言う。その目は何かを訴えているかのようで、優はとっさに目をそらす。 「えっ?あ、いや……部活ない日は、暇で暇で…」 「ふぅん……」 考えてみれば、優は祐一にほとんど本当のことを言っていなかった。気持ちを隠そうと躍起になるうちに、自分の周りを嘘で固めてしまっていたのだ。 会話は途切れ、気まずい沈黙に包まれた。口べたな優にとって、沈黙はさほど疎遠なものではない。たたその寂しさが、少し深かっただけ……。 「じゃあ、そろそろクラブでるから」 そう言い残して、祐一が教室を出て数分後、部活ではしゃいでるその姿を見ると、なぜだか胸が痛くなった。 これは、きっと恋じゃない。
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