第1章

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「松本く~ん。ちょっと待って」 鼻にかかった甘ったるい声。 「チョコレートいっぱいもらったよね」 声が弾んでうざったい。 「まあね。義理チョコばっかだけど」 謙遜しつつ照れた顔で振り返る。 本命チョコもあるはずだ。 ワザと軽く嬉しがって本命チョコを義理チョコへとすり替えたんだろう。 モテるオトコのテクニックだ。 彼は毎年こうして告白をさせまいとして、女心を笑顔でバッサリ斬りつけるんだ。
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