第1章

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「私たちも上げてもいいかな」 三人は冬哉を取り囲んで無理やり彼の足を止めさせた。 「突き返すほど怖いもの知らずじゃないよ」 今後のクラス内の秩序を最低限守りたい冬哉は、女子を敵に回すと怖いことをよく知っている。 冬哉に限らず全ての男子たちは結束された女子の団体ほど怖いものはないんだ。 私だって、たまに怖い時があるもん。 現に今、渡しそびれて生徒玄関の柱の影に隠れている。 「松本君って確か甘ったるいチョコは苦手だったよね」 「え?マジ?」 思わぬ情報に驚いた。
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