第1章

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「ちょっと、美月。いきなりなに?」 冬哉の目の前に立った私に果歩が話しかけてきた。 後の二人からは冷ややかな視線。 そんなものは気にしない。 冬哉の目を見てニコリと笑いかける。 引きつった表情の冬哉。 あの出来事以来、冬哉は何気に私を避ける。 そのたびに胸の奥がキュンとなる。 悲しくなるんだ。 でも、今日は高校生活最後のバレンタインデー。 誰がなんと言おうと自分の気持ちだけは伝えたい。 たとえ肩すかしにあっても。
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