キスフレ2nd Vol.21

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「日皇証券は、バビロンの株を売らないわ。 バビロンに対する同情心や、 今までの付き合いが長いからとかそんな甘ったるい理由じゃない。 日皇はバビロンの株を持ちすぎている。 今、日皇が株を手放したら、バビロンからなし崩し的に、皆が、手を引く。 そうなれば、バビロンはひとたまりもなく、一瞬で市場から消えることになる。 そうはさせない...。 きっと今頃上層部の連中が、作戦を練っているはずよ」 レーナの真剣な表情をみて、ほんの少し不安が消えた。 甘ったるい同情心じゃないといいつつ、 冷酷非情に切り捨てない日皇に対して、尊敬の念を抱いた。 きっとレーナみたいな店員がいる百貨店で買い物をしたなら、 偽物のカシミアだろうがブランドだろうが、 私は、信じて持つだろう。 まあ、レーナが、 デパートの販売員になることは一生ないだろうけれど。
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