キスフレ2nd Vol.21

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「非情だと思うだろうけれど、これが相場の世界なんだ」 彼の言葉と共に、ティーソーサーを受け取った。 丸いフォルムの白い陶磁器のカップが、カチカチと小刻みに震える。 指の先をひっかけて、ソーサーから離すと大人しくなった。 細かい茶葉が秋色の湯の中を鯉の如く優雅に泳いでいた。 その中へと、枯れ葉を落とす。 「レーナの会社もバビロンの株を売るの?」 顔色一つ変えずに、 淡々と語っていたレーナが瞳を潤ませて私を見つめた。
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