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「アマネ…、知りたいんでしょ?」
コカの顔が近づいて来る。
「な、何…コカ…近いよ…。」
コカの指が私の頬に触れる。
鼓動が早まって、身体が動かなくなる。
「アマネは本当に綺麗だね。僕の初恋の人と同じくらい…ふふっ。」
コカの言葉が呪文のように心をぐらつかせる。
まるで魔法にかかったように…コカの瞳に囚われる。
コカの唇の動きを見つめていると意識がどこかへ……。
「ふふ、捕まえた。さて、アンドロマリウスはいつ戻って来るかな…。」
コカは天音を抱き上げ、ベッドに横たえる。
「ちょっと失礼ーっ。」
コカは天音の洋服を一枚一枚脱がせ、下着だけの姿にして自分もベッドに横たわる。
天音の髪の毛を手で梳く。
「本当にアマネは可愛いな…。アンドロマリウスにその気がないなら…」
カタンと物音がしてコカは天音を自分の胸に抱き寄せた。
ベッドルームにゼルが足音を忍ばせやってきた。
「っ!?ウヴァル!アマネに何を!!」
「見ればわかるでしょ?」
ゼルの瞳が大きく見開かれた。
「アマネ…」
「今日からアマネは僕のモノ。これは和哉の命令だよ。」
ゼルは立ち尽くしたままアマネを見つめた。
「今までアマネに仕えてくれてご苦労さまでした。この子、我儘で大変だったでしょ。素直じゃないし、捻くれてるし。面倒だから魔法で言う事聞かせたよ。」
「何っ?」
「僕に従順な可愛い子にしたよ。さっきも可愛かったよ。泣きながら僕に抱かれて…」
「ウヴァル!貴様っ!!」
ゼルが隠していた大蛇を解き放つ。
さっと飛び上がるコカ。
「なんで怒るの?」
「アマネは私の契約者だ!!」
「契約ねぇ…。君、彼女の願いを叶えたのかい?」
「それは…、ならば和哉殿の居場所を教えろ!」
「ふふっ、そんなのズルいでしょ。僕ならアマネの望む願いをすぐに叶えてあげられるのに。無能な悪魔がそばにいても、アマネも和哉も喜ばないよ。」
「なにっ!!」
「立ち去れよ、無能なアンドロマリウス。」
ゼルはわなわなと震えながら大蛇を腕に巻きつけた。
「もう二度とアマネには近づかないでくれる?何があっても…。君との契約は契約不履行で解約。もう、契約者じゃないんだから構わないでね。」
コカが冷たく言い放つ。
ベッドに入りアマネを自分の胸に抱き寄せ、天音の唇に唇を寄せた。
ゼルは目を逸らしその場を去った。
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