真実と偽り

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「なんで蒼はそんな余裕そうなんだよ……!?」 俺は自分の席に着席して蒼にそう尋ねたが、蒼はにこやかに笑いながら答えた 「怜と違って鍛えてるからかな」 蒼は自慢するかのように堂々と宣言した ガラガラ そこに担任の久留技綾香(くるぎあやか)が教室へ入ってきた 「はいみんな席に着いて」 俺たちは担任に促され、会話を中断し、自分たちの席へ戻った… 「連絡事項は特にありません。1時間目は私の社会科なので、準備しとくように」 ガラガラ 担任の久留技綾香はそう言って、一度教室を出て行った そしてもう一度入室し、授業を開始した 「えーと前回はどこまでやったっけ…?」 久留技綾香は俺たちに前回どこまでやったかを尋ねてきた 「先生、前回は日本はスーパーコンピューターで統制されているというところまでです」 クラスメートの1人が久留技綾香の質問に答え、どこまでやったかを教えた 「ありがとうね、結城瑞稀さん」 そう彼女にお礼を述べた 「では始めます。前回言ったのは、この世界はスーパーコンピューター通称【マキュラ】と呼ばれる物によって統治、統制をされているということですよね……?それによって犯罪も激減し平和へ近づいていると言っても過言ではないでしょう…………」 俺は自分の席が窓側ということもあり、授業を聞きながら外を眺め考えていた ー世界は腐ってる。コンピューターに統治されているなんて間違っているとさえ思っている。コンピューターがくれたのは平和だけじゃない………。この行き場のない想いでさえどうすればいいのかと考えてしまう。こんな世界なら壊れてしまえばいい。本気でそう思ってしまった
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