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科学室。
フラスコやら魚の入った水槽が立ち並ぶこの部屋にて、明らかに部屋とミスマッチな洋服のドレスと和服が合わさった和ゴスと呼ばれる衣装を着ている少女が、この場所へやってきた至って普通の制服を着ている少女に話しかけた。
「ねぇ、貴女。もしかしてここは初めて?」
「いや、ここは科学室だから初めてじゃないですけど…… ところで先せ……」
真面目な方の少女は先生に用事があるみたいで、先生がどこに居るか尋ねようとするがそのまえに変な方の少女がおっとりとした笑顔と声で。
「大丈夫、最初はみんなそうだから。さあ、力抜けよ」
っと言い、真面目な方の少女が思わず突っ込む。
「何かそんな台詞っぽいの聞いた事あるし! っていうか何するつもりなのよ!?」
「何もしないわ、ただ言ってみたかっただけ☆」
彼女の言葉に、突っ込みを入れた少女はガクッと肩を落とす。
何この子、変人? ともかく、さっさと先生の居場所を聞いてからここから逃げないと……
真面目な少女、雨水かなではおかしな少女に危機感を持ち、そんな事を心の中で思うとすぐに彼女にもう一度先生の居場所を聞いた。
「あのー、あたし先生に用事があって。先生はどこに居るの?」
「あら、そうなの? てっきり入部希望者かと……」
んなわけねーだろ!?っとかなでは心の中で突っ込むと不意に気になる言葉があって、その言葉を口にした。
「入部希望者?」
「そうよ、サイエンス部のね…… 興味……ある?」
「いえ、ありません!」
彼女の目がきらんっと光った気がして、かなでは首がもげそうな程左右にブンブン振る。
変な少女は「ちぇー」っとわざとらしく言うと、それから先生は物理室に居る事をかなでに教える。
「また来てねー、放課後はいつもここで活動してるから」
「用事がないのに来ませんよ!」
「ちゃんと入部用紙は自分のクラスの先生に渡すのよー」
「え?」
かなでは少女の言葉にキョトンとし、それから自身の手に何か紙のようなものを握っている感触があり、それを見る。
すると、それは入部用紙で、しかも自分の名前が記入されていた。
「ファァァァァァァ!?」
あまりの驚きに変な叫び声を出すかなで。
「ななな、なんで私の名前を知ってるのよ!?」
「何でって……だって同じクラスじゃない、私達」
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