第一話 茶道部とサイエンス部

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 朝礼が終わって、言われた通り再び流音がやってきた。   「あぁ、やっぱりこの服は落ち着かないわ…… 朝礼の時人の視線とかずっと気になるもの…… かなでちゃんもそうでしょう?」 「いや、あたしはそう思わないけど」 「あら、そうなの? 何だかスカートの丈が短いし何より生地が薄い感じがして何だか恥ずかしいわ」 「えー、昨日の派手な格好より良いでしょう!」  フリルが沢山付いてるわ、帯が可愛らしい大きなリボンになっているわ、正直派手過ぎて着ている方が恥ずかしくなりそうだ。    かなでがそう思っていてもどうやら流音はそんなことを微塵も感じていないみたいで、先程のオドオドした態度はどこへやら、流暢に語りだした。 「そんなことはないわよ、ほら、茶道部でも着物を着て活動するでしょ? あれと同じで所謂この学校で活動する為の戦闘服と思えばむしろ鎧に包まれた感じで安心感が出てきてむしろ実家に帰った感じが……」 「オーケー、分かったから。もう分かったから!」  やっぱりこの子変だった!  かなでは会話を途中で中断させようとすると、流音はまだ話し足りないみたいで不服そうに頬を膨らませて喋る。   「む~、まだ語り終えてないのに」 「長い話はまた今度でお願いね、ほら、そろそろ授業時間になるし」 「あら、確かにもうこんな時間。友達とお話をしていると時間が経つのが早いものね」  なんてこったい、いつの間にか友達認定されたみたい。  かなでは出来るだけ彼女に離れて、あまり関わりたくなかったのだが、流音が友達だと思っている以上それは無理だろうと確信して机に突っ伏するのだった。  
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