第一話 茶道部とサイエンス部

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 そんなこんなで昼休みまで流音と付き合い、それから放課後。  彼女が部活に行き、ようやく解放された彼女は自分の部活へと向かった。  お茶の香りとどことなく厳かな雰囲気のある茶道室。  かなでは茶道部の部員で、ここで茶道の作法等を学んでいた。  まあ、彼女一人だけなので実質先生から借りた教本での独学なのだが…… 「うぅぅ、やっぱり一人じゃ寂しいなぁ…… ハッ! こういう時こそ流音とのズッ友☆宣言じゃない!」    ズッ友宣言は実際はしていないのだが、彼女にとって流音は変な子でも大切な部員候補。  そのために、今までないがしろにせず流音と付き合っていたのだ。  彼女の本心を知れば、皆一様に何この子腹黒い! と思うような事を考え彼女はこうしては居られないと思い、着物姿のままでかなでは飛び出すのだった。  そして、科学室の入口に到着し、かなでは立ち止まる。  先程まで威勢が良く、着物を脱ぐ事もせずに何故彼女は立ち止まったのか?  それは、かなでの目の前に変な看板があったからだ。それと入口扉の窓から見える景色。  看板には「ようこそ! ホラー水族館 鎖逝宴刷部へ」っと書かれており、しかも無駄に綺麗で上手な血みどろなイラスト付きで恐怖感増し増しにしており、しかも窓には明かり一つ無く、中がどうなっているか分からない不気味な光景が広がっている。  かなではそっと、着物を翻して振り向くと来た道を帰るのだった。  べ、別に怖いから帰るんじゃないんだからね!
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