【2-5】冬将軍到来

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少しのドキドキ。 でもそれもすぐに終わって、打ち合わせフロアの一角、私はそこに空閑さんと向き合って座った。 「早速で悪いんだが、これに目を通してくれ。」 渡されたのは一冊の資料。 私はパラパラとそれをめくっていく。 「結城グループですか?」 「ああ。 俺んとこで結城グループの一人息子、結城 司の特集を組む事になって、 それで沖田には明日、俺と一緒に結城グループ主催のパーティーに参加して欲しいんだ。 ちなみに編集長にはもう許可はもらってるから。」 は? 「パ、パーティーですか? む、無理、無理です、他当たってくださいよ!」 私は顔の前でブンブン手を振ってみせた。 そんなとこ恐れ多くて行けるわけない。 すると空閑さんにパシッと手首を掴まれて、 「おまえ、これどうした?」 と、右手の指輪の存在に気付かれてしまった。 「…ああ、これですか?」 私は何て答えようか考える。 「……。」 「……。」 だけど嘘つくわけにもいかず、 「…婚約解消したんです…。」 小さな声で答えた。 「ふーん…。」 空閑さんからは何というか、興味あるのか無いのかよくわからない返答。 「そ、それよりも何で私もパーティーに参加しなきゃいけないんですか?」 私は話を本題に戻した。 .
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