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金髪ギャルの真麻と地味で三つ編みビン底メガネの私は、教室に入った途端に注目の的だ。
異色の二人の組み合わせが多分おかしいのだ。
そして交友関係が広い真麻はたちまち女子の群れの中へ。
真麻くん、君は立派だよ。
うんうんと頷きながら一人残された私は、静かに出席番号順の自分の席に着いた。
ハアと誰にも聞かれないように小さく息を吐いて、
私は空のいないこの空間を眺める。
また離れ離れか…。
しんみりしながら一人空を想う私。
私は空が大好きで、しかも大好きすぎてその分空に依存してしまい、結果この地味さにたどり着いたわけなんだ。
空と付き合い始めた中学時代、私は酷い嫌がらせに苦しんだ。
それでも空と一緒にいたかった私は見事この地味さで高校デビュー。
空の横にいる権利というか、おまえなら安心だという称号を与えられ、空といくら行き帰りを共にしようと何も言われなくなった。
何てハッピー!
と、喜んではみたものの、何となく虚しい気分になってしまう。
でもそもそもの原因は空だ。
空が凄まじくイケてるのが原因なんだ。
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