【3-6】晴天

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真っ赤な絨毯の上を父と歩いて行く。 いつだったか…、 小鳥遊くんと二人で教会で待ち合わせをした事があった。 確か修学旅行の沖縄で。 あの頃の私たちはまだまだ未熟で、お互いを労る事ができなかった。 結局教会では会わずじまい。 そしてあれから十数年の時を経て、私たちの時は再び交じり合った。 この赤い絨毯の先に小鳥遊くんがいる。 私は真っ白いタキシード姿の小鳥遊くんをすでに瞳に捉えていた。 空と唯人、二人とは真逆の色を纏う憂い顔の君。 どうしてそんな顔をしてるの? って…、 全部私の所為なんだよね…。 幸せにしてあげたい。 自分は後回しでいい。 それを10も歳下の唯人に教わった。 父から小鳥遊くんへ。 私は新郎へと腕を伸ばす。 「ゴメン…。」 小鳥遊くんの小さな声。 『解放してあげられなくてゴメン…。』 きっと意味はこんな感じの。 だから私は小さく首を振った。 十字架の前。 石膏のマリア像の見ている前で愛を誓う。 .
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