【3-6】晴天

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「夫たる者よ。 汝…、健やかなる時も、病める時も、 常にこの者を愛し…、 慈しみ、守り、助け、 この世より召されるまで固く節操を保つ事を誓いますか?」 神父の言葉。 小鳥遊くんは本物の王子様のように佇み、その白いタキシード姿が私には特別に映った。 漆黒の髪は綺麗に後ろに流れて、そこから覗く瞳は何の迷いもなかった。 「幸せになる為に…、誓います。」 小鳥遊くんは消え入りそうな笑顔を浮かべて私を見る。 願いとも取れるその笑顔は私には苦しかった。 「妻たる者よ。 汝…、健やかなる時も、病める時も、 常にこの者に従い…、 共に歩み、助け、 固く節操を保つ事を誓いますか?」 今はまだ私の心には唯人がいる。 唯人がいる。 だけど…、 『きっと幸せになれる。 ナナはまたあの人を好きになる。』 さっきの唯人の言葉を信じて…、 私は再び小鳥遊くんを愛する…。 「二人で幸せになる為に…、誓います。」 .
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