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そして私と小鳥遊くんは二人で婚姻届を書いた。
それを持ってタクシーに乗り込む。
場所は区役所ではなく空のいる大学病院。
ようやく空と向き合える時がきた。
私たちは手を繋いで病室まで向かう。
コツコツと響く長い廊下。
この場所に10年も通った。
未だ目覚めない空。
タイムリミットは今日。
きっと近いうち、今後の話し合いの為にここに呼ばれるんだろう…。
まだ何の決意もできてない。
だけど決意なんか要らない。
だって私は未だに空を信じてるんだから。
コンコンとドアをノック。
やっぱり返事は無くて、私たちは静かに中へと入る。
眩しい陽射しが差し込む。
この部屋の窓は西側で、徐々に落ちて行くオレンジ色の太陽が見える。
私は少しだけ窓を開けて、半分だけカーテンを閉めた。
ユラユラと揺れるカーテンを背に、私は小鳥遊くんと向き合った。
「いつも空にしてる事があるの…。
それを今していい?」
10年間ずっとしてきた事。
それを小鳥遊くんに見てもらいたい。
「…いいよ、俺も知りたい。
ナナイロが今まで水澤とどういう風に向き合ってきたのか…。」
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