2話

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そんな訳で暫く歩くと立派な屋敷へ到着する 「ハルト!」 金髪碧眼の男性が、俺たちに駆け寄ってきた 「にーに!」 満面の笑みで、ハルトは俺の手を離し男性に抱きつく 「うほつ、良い男☆」 「・・・? とりあえず、ハルトを救ってくれたことに、感謝する」 ハルトを抱き上げ、男性は頭を下げた 「何、当たり前の事をした迄の事、気にしないでくれ」 「そうか・・・屋敷に招き入れたいのだが・・・」 チラリと、彼は背後にある屋敷を見る 「父が、獣人嫌いでな・・・。申し訳ないのだが・・・」 「世知辛世の中だ、まぁ私が勝手にした事だ、何か期待していた訳では無い。だが・・・良い気はしないな?」 俺は彼達に背を向けて 「では縁が有ればいずれ」 「・・・少し、待ってくれないか?」 彼はハルトを下ろし、屋敷の中に戻っていく 「去らせてくれよ、格好付かないだろ」 溜息を吐き、律儀に待ってみる 「そう言えば、ハルト?君は何歳?」 見た目の割に精神年齢が低くく感じるので待つついでに尋ねる 「3才!」 指を3つ立て、ニコリとハルトは笑った 「3歳か、大きいな?」 飴を差し出しながら言う 「ハルトはエルフのクォーターだからな。成長が早いんだ。一定歳まできたら、年の取り方が遅くなるらしいが」 屋敷から戻ってきた男性が、手に何かを持ってそう言った 「へぇ、そうなんだ」 「あぁ。後・・・これぐらいしか、礼とするものが見つからなかった」 宝石が散りばめられた、鞘に入った短刀を、彼は渡してくる 「旅の者だろう? 売れば多少なりの金にはなる」 「迷子を送り届けて財宝か、チョロ過ぎだろ?」 肩を竦め彼へ言う 「まぁ、そういう事もあるだろう」 彼は苦笑する 背を向けて、今度こそ去ろうとしたのだが・・・ 「いやぁぁぁあっ!」 ハルトが、俺の服を掴みギャン泣きした
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