2話

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流石に3歳児がギャン泣きしているのを無視出来る程 冷血では無いので 「ハルト?服を離してくれないか?行けないだろう?」 出来るだけ優しく諭す様に言ってみる 「いーやぁぁぁぁっ!!」 困った・・・ 「ハルト・・・」 ナズナも困ったようで、弟の名を呼ぶ そんな時 「あらあら、帰ってこないと思ったら。ハルトー? 何泣いてるの?」 若い女性が、屋敷の中から出てきた 「ハルト、お姉さんが迎えに来たよ?離して?ね?」 頭を撫でて、諭してみる 「義母上、わざわざご足労いただいて申し訳ありません」 「ままーっ!! ねーね、いくのやー!」 ハルトの言葉に、俺は固まる 「・・・母?え?」 思わず呟く 「俺の義母上だ。ハルトの実親」 「フェルデでーす」 おっとりとした美人なのに、子持ちだと・・・? 「わ、私はカヅキです」 とりあえず名を名乗っておく 「カヅキさん、ね? うーん・・・」 フェルデさんは、私を見つつ首を傾げた 「珍しいなぁ。見たことない種族ねぇ?」 「フェレルに似てますね」 何だそれは、と聞きたくなった 「そろそろ行きたいのですが・・・」 苦笑してフェルデさんへ言う 「でも、ハルトが気に入っちゃったみたいだし・・・ねぇ、カヅキさん? 耳と尻尾隠せる?」 「義母上、まさか・・・」 彼が、俺とフェルデさんを交互に見る 「え?まぁ簡単ですけど・・・」 両手で耳を抑え畳んで尻尾も収納する 「うん。これなら、あの人も普通に話してくれるわ」 「そうですね・・・カヅキ、だったか? 父上の前では、そのままでいてくれ。頼む」 俺から手を離したハルトを抱え、先導するフェルデさんの後を追いながら、彼がコソッと言う 「え?あぁ・・・」 なんか流されてる気がするけど・・・まぁいいか 良いのか?
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