2話

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そんなこんな暫く駄弁っていると、ナズナが現れた 「お前達、ここにいたのか」 複数の冊子を持った彼は、俺を見るなり眉をしかめる 「お前、年は?」 「今年で16だが?それが?」 首を傾げ素直に答える 「体に悪い、タバコはやめろ」 ナズナはそう言い、目の前に棒付きキャンディを差し出してきた 「無理だ、幾度も試したが失敗した」 最後に試みた時は、気が付いたらクローゼットが大破轟沈、愚弟の左腕の骨を二本程折っていた だが彼は、俺の口に無理矢理キャンディを突っ込んできた 「咥えとけ」 「お御心のままに、御主人様」 キャンディを舐めながら返事をする それから夜になり、自分の自室でベッドへ横になる 「・・・・生きている」 利き手を伸ばし照明に翳す 「俺は・・・・此処からリスタートか・・・親友、お前も生きてるよな?」 俺は瞼を閉じて、過去の思い出を思い出す まだ俺達が3人で馬鹿して笑いあった、あの頃の事を 『カーヅキー!』 某目を覚ます能力者そっくりの幼馴染が、俺に手を振る 『遅いよ、カヅキ』 こちらも、能力者の想い人そっくりの親友が、ニコリと笑っていた 『悪り悪り』 俺は2人に歩み寄り適当に謝り輪に加わる 『なぁ課題やったか?』 『やったよ』 親友は、ちらっと幼馴染を見る 『うぐ・・・見ないでよ・・・』 『はははw優等生は偉いな?』 カラカラと笑い、背の低い親友の頭を撫で回す そして、少しづつノイズが走り・・・ 「クソったれな現実へようこそ・・・ってか?」 濡れた目元を寝間着で拭い、タバコを喫む 「・・・何で死んじまったかなぁ?ナツキ・・・つか、俺も人の事 言えないか」 憂鬱だった現実は変わるのか期待をしつつ、新しい現実を受け止め様と朝日に誓った
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