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「ひまねー。誰か来ないかしら?」
小さなテーブルに頬杖をつき、小さな椅子に座って足をぶらぶらさせながら女の子が呟く。
「そんなこと言って、誰か来たらめんどくさいって言うくせに。」
少女の呟きに答えながら何かがテーブルに飛び乗る。
「だって、暇なのも忙しいのも嫌いなんだもの。仕方ないじゃない?」
目の前にやってきた白いものを見ながら少女は言う。
「まったく。楓(かえで)はわがままなんだから。」
「…なんか、だんだん口うるさくなってきたんじゃないの?ハル」
楓と呼ばれた少女は目の前にいる白うさぎにそう答える。
「そんなことないわよ。
ん?お客様よ、楓。」
ハルは耳をぴくぴくさせると楓にそう告げテーブルからぴょんと飛び降りる。
と同時にチリンとドアに付けられたベルが鳴る。
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