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「こんにちは。迷子の仔猫ちゃん?」
ドアを開けた人物に向かって楓は言う。
立ち止まったままの人物にもう1度楓は声をかける。
「そんな所に立ってないで、中に入ったら?」
ハッとしたように立ち尽くしていた人物は中に入ってドアを閉める。
「で?何のご用?」
頬杖をついたまま楓が見つめると中に入ってきた少女は困った様な顔をして楓を見つめ返す。
「とりあえず、座ったら?」
楓は呆れたように自分の向かい側にある椅子を指差す。
やっと動いて言われたように椅子に座った女の子は目の前の楓を観察する。
小学生かと疑いたくなる幼い顔と小柄な体。
にも関わらず口調は大人より落ち着いている。
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