第1章

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 三色団子の串が、鋭利な先端とこびりついた食べカスをこしらえて飛んできた。狂喜乱舞と言わんばかりに舞う桜の花びらの渦をかき分け、その狙いは私だった。  おそらく量販店等で売られたパック詰めの三色団子なのだろう。丁寧なことに内容量分の3本の飛来が確認できた。  首から上だけの動作で3本とも回避すると、次に向かってきたのは、宙高く放り投げられたビールの缶だった。  ミスディレクション?  これは私の注意をそらそうとしている?  と、なると本当の狙いは……。  後方だった。私の周囲に植樹された桜の枝にぶら下がり、制圧作戦の特殊部隊よろしくスピーディーな降下で私を襲撃しようとする人影を肌で感じた。  距離関係的に回避行動は間に合わないと踏んだ私はとっさに裏拳と共に反転し相殺を狙う。  右こぶしを勢いよく後方へ振った。  しかし、その裏拳は空を切り、反転した視界が見たのは予想通りの人物と、頭上へ投げられた焼き鳥の串だった。  その時、まだ空域にビール缶が残っていたことに気が付いた。  桜吹雪と、アルコールシャワー。  
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