一章

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彼女と今朝通った同じ道を、帰りは一人で進んでいく。 彼女と行く時は30分程かかるのだが、一人の時は20分程で家に着く。 団地への坂道を立ち漕ぎで上り、息が切れる頃、団地の入り口が見えてきた。 団地に入って右に曲がり、突き当たりで左に折れる。 彼女の家をちらりと見ると家の電気は着いていたが、ガレージにあるはずの自転車は姿を消していた。 もしかして、雫が言っていた”彼氏‘’に会いにいったのだろうか。 ……だとしても、俺には関係ない。 俺は漕ぐ力を強くし、急な坂を上っていった。
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