第八章:友達にもなれない二人

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 ささやくように、問いかける。 他に言葉は、見つからなかった。  瑤子の気持ちを察してか、蒼からの返答は、冗談まじりの否定だった。 「探すよ、これからね。 ……君がそうだったら、よかったんだけど」  ふっ…と、笑って、瑤子をのぞきこんでくる。 いたずらっぽく動く瞳は、蒼特有の艶めいた光を宿す。 その眼差しが、瑤子を深い関係へと誘った一因であることは、確かだ。  缶に口をつけ、残った液体を飲み干しかけ、ふとした弾みに咳 (せき)こむ。 瞬時に瑤子の背に置かれた蒼の手のひらが、実砂子の存在を思いださせた。 どもりながら問う。
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