14人が本棚に入れています
本棚に追加
零「あれは、何だ?」
ソラ「あれは、{獣人(じゅうじん)}だね」
零「何だそれ?」
ソラ「二百年以上も前に現れた、獣に近い人間だよ」
零「人間なら、なぜあんな扱いされてるんだ?」
ソラ「獣人だからだよ」
零「どういう事だ?」
ソラ「見た目が獣だから、人間とはまず見られない」
たしかに、人間というよりは獣、または動物に見える人もいる。
ソラ「それに、普通の人に比べて魔力が圧倒的に少ない。 だけど、身体的な力が段違いに強いから、敵視され続けてるんだ」
零「それで、あんな扱いをされてるのか?」
ソラ「いや、昔はもっと酷かったよ。 普通の人達から狩りの対象に見られ、殺されていたみたいだしね」
ボロボロの布切れの服を着て、足枷をされて、鞭で叩かれている――それが、昔に比べたらまだマシという事らしい。
その時、高級品を身につけている太った男が、零とソラに怒鳴りながら近付いてきた。
最初のコメントを投稿しよう!