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「あの、ペン・・」
差し出した僕の手のひらに乗っているペンを確認してもビクビクしているその人は恐る恐る腕を伸ばしてもう少しでペンに触れるってとこですごい速さでペンを取って走って行った。
そんなに僕が怖いですかね・・。
最後らへんなんか拒否反応示してたし。
ただ見ていただけなのに。
女性が走って行った廊下を見ながら僕は小さいため息をして身をひるがえし歩き出した。
こんなことが毎日って言っていいほどある。
逃げられたり、目を合わせてくれなかったり、避けられたり。
睨んでいるように見える目つきはもう仕方ない。諦めてる。
こんなこと25年も続いているんだ。きっと明日も同じようなことがあるだろうけど仕方ない。でも溜め息だけは出ちゃうんだろうな。
って、午前10時頃の僕はそう思っていた。
でも、そんな日常が変わるまであと2時間とちょっと。
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